社内には言葉で伝えにくく、経験を必要とする業務が多く存在します。このような業務の情報を社内全員で上手に共有できればノウハウとして蓄積されていきます。しかしこういった情報は、その業務を担当している特定の人だけに蓄積されがちで、中々新人や他の社員には引き継がれにくい傾向にあります。そのためその人が異動したり辞めてしまうとそのノウハウは失われてしまいます。情報が個人にのみに蓄積された状態だと、結果的に会社にはノウハウが貯まっていかないということになります。
しかしもし、日々発生する情報を効果的に共有できるようになれば、個人への依存度も減り、社内全体の業務の効率や質を上げることができます。そこでEvernoteを使って、こういったノウハウとなる情報を蓄積していきましょう。
しかし何もない状態からやみくもに「いずれ役に立つから、ノウハウの情報をEvernoteに保存し共有しましょう」というだけでは、社員を動かす動機付けとしては弱いと思います。過去の記事で、Evernoteによるマニュアルや議事録の作成方法を紹介しました。
「Evernote Businesses導入の第一歩には、業務マニュアルの整備がおすすめ!」→
「Evernote流、一歩進んだ議事録作成術!」→
まずは推進チームなどを作り、その中で簡単なコンテンツ作成や連絡事項から始めて、ある程度Evernoteに情報が貯まっている状態にしてみましょう。これらを蓄積するだけでも一定のノウハウや顧客情報などが自然と会社の暗黙知として貯まっていきます。
そしてそれ以外のメンバーには「Evernoteを見る」という行為を定着させます。見ることが普通になってくれば、「Evernoteに情報を貯めると便利になりそうだ」という実感が伴っていき、やがては社員の自発的なノウハウ共有に繋がっていきます。そのためにもまず一定量の情報を作って貯めることから始めましょう。
Evernoteの利用が定着していけば、次はメイン業務にEvernoteを活用していきましょう。例えばプロジェクトなど共同作業にEvernoteを使うとします。前回のこのような記事を紹介しました。
「プロジェクト管理や共同作業をより効率的にするためのEvernote活用」→
個人個人がそれぞれの作業をローカルに抱えてしまっていては、結果としてプロジェクト全体の見通しが悪くなりますから、全員が参照できるようEvernoteに蓄積するようにしましょう。作業途中のファイルや、他の人には関係ないだろうと思う情報であっても、チームのメンバー全員が参照できるようにしておくべきです。参照する人は自分以外の誰かなわけですから、後々それがどのような形で活きてくるかは自分では判断できないからです。その後プロジェクトが終わった時に、その経過を記録しまとめ、その時に作成した文書やファイルなどを整理しておくと、情報の参照性が増します。特にプロジェクト進行中に問題が発生し、調査した情報やその解決策は、記録しておくだけで会社全体の共有財産になります。こうすると、過去のプロジェクトの失敗や改善の経験を生かすことができ、それが会社のノウハウとして蓄積されていくのです。
Evernoteの良さは、情報の保存場所とチャット機能が一体になっていることです。例えばノウハウが書かれたノートに対して作成者に質問を投げかけることも簡単にできます。社内のコミュニケーションが進みますし、その質問から新たな視点が生まれ、そのノウハウがよりブラッシュアップされる可能性もあります。
さらにEvernoteには関連するノート表示させる機能があるので、ノウハウとノウハウがリンクしやすくなります。またタグ付けによって情報のジャンル分けをしたり、ノートリンクで関連するノートとノートを繋げたりすることで、検索性をより高めることもできます。蓄積したノウハウは、別の人が見つけて再利用することに価値があるわけですから、検索性を高めることはノウハウ共有に非常に重要です。
いかがでしょうか。ノウハウ共有のためには、まずは会社主導で一定量のノウハウをEvernoteに貯めていき、その後は日常の業務での利用を促すことが大切です。そうすれば自然と情報は蓄積されていくので、あとはその貯まった情報をある程度整理し、後から参照しやすくすることで、それがノウハウになります。
ノウハウの共有がきちんと行えていれば、新人が入ってきても「困ったことがあればとにかくEvernoteを見ればいい」となり、「問題が起きたらとりあえずEvernoteに記録しておこう」と新たなノウハウが共有される好循環を生みます。ぜひEvernoteで社内の業務ノウハウを可視化・共有をお試しください。
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