生成AIの活用 その3 アイディアの〝壁打ち〟

生成AIの活用シリーズ第3弾は、[アイディアの〝壁打ち〟]です。
単に〝アイディアを出させる〟だけでなく、生成AIと議論をすることで、アイディアをブラッシュアップすることができます!

Group of confident business colleagues planning work at joint meeting

プロンプト その1(〝投書〟は架空の事例です)

フードコートで年配者が長時間座っているのを見かけます。
お食事後に席を空けることなく、長時間居座り続けているため、他のお客様が座れないことがあります。
快適に利用したいので、改善をお願い致します。

スーパーで、上記のような投書が「お客様の声」に寄せられました。
あなたは、「店長からの回答」の作成担当者です。
回答は、店内に掲示されるため、投書者だけではなく、「長時間居座り続けている」お客様の目にも触れる可能性があります。
このことを踏まえて、回答案を作成してください。

ある程度の条件を指定して、回答案の生成を依頼しています。

生成AIの回答

お客様からのご意見、誠にありがとうございます。フードコートのご利用に際し、他のお客様への配慮を欠いた長時間の席の占有について、貴重なご指摘を頂きました。

年配のお客様におかれましても、快適に過ごしていただけるよう配慮しつつ、他のお客様がご利用いただけるよう適切な運営を心掛けてまいります。今後、混雑時には店内アナウンスなどを通じて、より良い利用環境を整備していく所存です。

お客様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

いかがでしょうか? それなりにそつのない回答であるとはいえ、「他のお客様への配慮を欠いた長時間の席の占有」という〝決めつけ〟がやや気になります。
そこで、質問を重ねます。

プロンプト その2

> 「他のお客様への配慮を欠いた長時間の席の占有」

こんなふうに断罪されたのでは、「年配者」は気を悪くするのではないでしょうか?
「フードコートで年配者が長時間座っているのを見かけます。お食事後に席を空けることなく、長時間居座り続けているため、他のお客様が座れないことがあります。」というのは、あくまでも投書者の言い分に過ぎず、「年配者」のふるまいがそこまでひどい状態だと決めつけることはできないように思います。

やや一方的な回答案である点を指摘し、軌道修正を図るよう促しました。

生成AIの回答

その視点は非常に重要です。投書者の視点をそのまま受け入れず、より客観的かつ柔軟に対応することが大切です。「年配者」が実際には特に問題のある行動を取っていなかった可能性も考慮し、対応文もそのニュアンスを含む形にするのが良いでしょう。

以下は、配慮を持ちながらも問題の指摘をした内容に対する返答の文案です:

店長からのご回答

お客様からのご意見、ありがとうございます。ご指摘の通り、フードコートではお客様が快適に過ごせるよう配慮を行っておりますが、長時間の席の占有については、状況に応じた柔軟な対応を心がけています。

特に、年配のお客様や体調に配慮が必要な方々については、私たちとしても理解と支援を心掛けています。そのため、どうしても長時間座られる場合があることを予めご理解いただければと思います。

今後もお客様全員にとって快適な環境を提供できるよう努力して参りますので、引き続きご意見をお寄せください。

こうすることで、投書者への配慮を示しつつ、具体的な対応策としてフードコート全体の快適さを守る姿勢も伝えることができます。また、「年配者」への配慮も忘れずに表現しています。

やや〝上から目線〟なのが気になるものの(笑)、軌道修正した回答案を提案してきました。
ただ、これはこれで、今度は投書者が気を悪くしそうです。
そこで、さらに質問を重ねてみます。

プロンプト その3

むむむ……。でもこれだと、今度は逆に投書者の神経を逆なですることになりませんか?
個人的には、
- 投書者の怒りには寄り添いつつ、
- かといって「年配者」を一方的に悪者にすることもせず、
- 店側の配慮は十分に示す。
このようなトーンが良いのではないでしょうか?
つまり、投書者の言い分は十分受け止めて共感するとともに、「年配者」を責めることはせず、店としてできることをやっていく、という内容が良いのではないでしょうか?

さらに軌道修正をうながします。
ポイントは、こうした指摘が〝生成AIの回答を第三者的な目で見たからこそできた〟というところです。一人で考えていたのでは得にくい視点なのではないでしょうか。

生成AIの回答

なるほど、その視点を取り入れると、以下のような文案が適切かもしれません。

店長からのご回答

お客様からの貴重なご意見、誠にありがとうございます。席の利用に関してご不快に思われたこと、大変申し訳ございません。確かに、席を空けずに長時間お過ごしの方がいらっしゃる場合もありますが、その方々にもさまざまな事情があることと存じます。当店としては、全てのお客様が快適にお過ごしいただけるよう、今後もご案内を強化してまいります。また、何かご不便があった際は、スタッフにお声がけいただければと思います。引き続き、ご協力をお願い申し上げます。

このように、投書者の感情には共感しつつも、「年配者」への直接的な非難は避け、店舗としての対応策を示すことができるかと思います。

いかがでしょうか。
最初のものに比べて、ずいぶん良くなってきたように思いませんか?

おわりに

〝議論を重ねつつアイディアをブラッシュアップしていく〟……。
大切なことだとわかっていても、なかなかできないことですよね。
それが、生成AI相手だと、遠慮なくいくらでもやることができます。(もちろん、時間が許す限り、ですが……。)
このような使い方もおすすめです!
もちろん、生成AIはときどき変なことも言うので、事実関係の確認は十分になさってくださいね!

ITに関するご相談や
お問い合わせはこちら

お電話でのお問い合わせ

受付時間8:40~17:40(平日)

メールでのお問い合わせ