どんな会社でもデザイン制作する場面はあると思います。製品のロゴやパッケージ、パンフレットやチラシあるいはホームページやネット広告などデザインが重要になるものはたくさんあります。もちろんデザイン制作は、社内で制作している会社もあれば、業者に依頼している会社もあると思いますが、いずれにせよ業者や社内のデザイナーが作成したものを、担当者や上司が確認するという作業が発生します。その確認作業が終わってデザイン制作が完了するわけですが、その作業が一度だけということは滅多にありません。基本的には、まずは叩き台となる初稿があって、そこから改善とチェックを繰り返し、第2校、第3校と何度も回数を重ねて、完成へ向かいます。
このデザインの校正作業はデザイン制作の中でも重要なのですが、中々面倒です。うまく指示通りに修正が行われなかったり、やり取りを重ねていくとどのデザインが最新であったか、前回前々回どんな修正を行ったかがわからなくなったりしてきます。そこでEvernoteで校正作業のやり取りを行い効率化しましょう。なぜわざわざEvernoteでと思われるかもしれませんが、Evernoteで校正作業を行うと4つのメリットがあります。
EvernoteにはSkichと呼ばれる機能があります。これは画像やPDFに直接描き込みができるという機能です。手書きの描き込み以外にも、文字を入力したり四角で囲ったり矢印なども挿入できます。これがあればデザインに対する修正指示を簡単に行うことができます。デザインのやり取りをメールで行っていると、「この部分のこの箇所をこんな風に修正してください」と文章で全て説明しなくてはいけなくなります。文章ではニュアンスのズレが発生し、指示がうまく伝わらないことも多くあります。指示がうまく伝わらなければ、さらに修正の修正を指示しなければいけないため、二度手間三度手間になります。デザインそのものに指示を描き込めば、指示する側も簡単ですし見る側もわかりやすくなり、こうしたニュアンスのズレは解消できます。
このSkichの機能はスマートフォンやタブレット版Evernoteでも使うことができます。そのため外出中でもデザインの確認や修正指示を行うことができます。そのためちょっとした隙間時間も有効活用できます。
またスマートフォンやタブレットのカメラ機能を組み合わせれば、例えば店舗のディスプレイデザインなど、立体物のデザインにも指示を出すことができます。パンフレットやチラシ・ホームページなど二次元のものは、まだ「この部分のこの箇所をこんな風に」という指示でも伝えることはできますが、立体物になるとますます指示の仕方が難しくなるので、カメラで撮ってその写真に描き込めば明確に指示ができます。
まずメールの場合は、何通も修正のやり取りをしていると最新のバージョンがどれであるのかわかりづらくなりますが、Evernote上で更新していれば常に最新のものがそこにあるので間違えようがありません。またEvernoteにはノートを、過去の状態に復元することができる機能があります。実はノートを更新するたびに過去の履歴がクラウド上に保存されているので、いつの時点で更新したものかを指定すれば過去のノートを取り出すことができます。この機能があるのでEvernote上で更新していれば、いちいちファイル名を変えて過去のバージョンを残しておく必要もありませんし、時系列順に見られるのでデザインの最初の状態からその後どのように更新されていったかを簡単に見ることができます。
EvernoteはEvernoteを持っていない人ともノートを共有できます。共有URLという機能を使うと指定したノートがWEB上で見られるようになり、そのURLにアクセスすればEvernoteを持っていなくてもそのノートだけは見られるようになります。またEvernoteからノートをメール化して送ることもできます。デザインを他社に頼んでいるなど場合には、相手が送ってきたデザインをEvernoteに保存し修正指示を加えて、このどちらかの機能で共有すればOKです。特に容量の大きいファイルをやり取りする場合には共有URLでの共有が便利です。ファイルが重いとメールでは送れないこともありますし、わざわざファイル転送サービスを使うのも面倒です。
また相手が頻繁に更新する必要がないであれば、相手には無料版のアカウントを作ってもらい共有する、という方法もあります。
いかがでしょうか。Evernoteでデザインの校正作業を行えば、デザインに対するわかりやすい修正指示が簡単にどこにいても行うことができます。またEvernoteに保存しているだけで自動的に履歴も貯まっていきますし、メールではやり取りするのが重いファイルも手軽に共有することができます。紙やメールやFAXでデザイン校正のやり取りを行っていて、何となく非効率だなと感じている方は、ぜひお試しください。
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